「お隣が、家(土地を含めて)を売りに出すのに、境界の立会いを求められています。そこに同席して貰えませんか?」
最近こんなご相談が続きました。
これはお隣のご売却を担当される、不動産仲介会社さんが手配した「土地家屋調査士」さんから連絡が入り、「立ち会って境界の確認をする」という場面です。多くの場合は「土地家屋調査士(売りに出す家の方の代理として)」が「境界を接する隣の家の方」と約束を取り付け現地にて境界の確認を執り行う、といった具合です。
なぜ私は呼ばれたのでしょう?お話を伺ってみましたら、それぞれ「立会いに、ご不安」をお持ちである事が分かりました。先代の頃や、以前に近隣との関係で必ずしも良好ではない時期もあったご様子です。長い暮らしの歴史の中では、色々な事があったのでしょう。
「土地家屋調査士」の方がご用意する図面等は様々な根拠に基づいて作製されています。拠って誤差の範囲以上に、恣意的に土地の広さを操作する様な事は出来無い、とこれまでお付き合いして来た土地家屋調査士の方々からはお聞きしております。
では、私はなぜ同席するのでしょう?殆どの方が、隣地との立会いは初めてでいらっしゃる訳ですが「無用なご不安を取り除く」助けになればと考えたからです。そして必要と感じた場合は、土地家屋調査士の方のご説明にほんの少々ですがその方にとって受け取り易いと思われる補足をいたしました。依頼者はお守りしたいですが、権利主張を代弁する役目ではありません。
「境界立会い」の現場は、過去のトラブルを引きずって「それぞれの権利を主張し合う」場ではなく、それは置いて「未来へ向かって、新たな認識を確認し合う場」と私は考えています。もしその現場に、何らかの越境物が存在した場合は、今すぐの処理が必要な場合は話し合い、また「覚書」を取り交わして将来の越境解消方法を約束する事があります。
ごくまれにですが、この時とばかりに積年の不満を相手方に発散してしまったり、「私が応じなけれは困るのでしょう?」と条件交渉の場にしようとする方が居られますが、当然お勧めいたしません・・・。「トラブル履歴のある土地」になってしまう恐れもありますし、何より良い未来につながっていきません。諍いの記憶は、次世代まで引き継かず、ご自身の「この時までで終わらせる」方が良いと思いませんか?同じエリアで暮らす以上「お互いさま」の部分はあると思います。お互い誠実に、一つ一つ確認していきたいですね。
有限会社音夢 ねむ相続コンサルティング事務所
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