居住用不動産の価格査定について

高い提示金額は人の眼を喜ばせますが、不動産の査定は本来価格の競争ではありません。

不動産の価格査定について、相続に最も関係が深いものはお住まいになられている(なられていた)「居住用不動産(土地・戸建・マンション)」ではないでしょうか。他には「投資用のマンションや、一棟アパート」や、「事業用の土地建物」等も有ると思います。

ここでは冒頭に挙げた、居住用不動産の価格査定について私の考えを述べたいと思います。「売却を想定した、市場流通価格の査定」と言えます。相続税額を計算するための不動産評価の事ではありません。

さて、一般的に分かりにくい事柄として「査定金額の高低は、売却活動の結果とは一致しない」という事があります。査定金額が高いと、「所有している不動産が高く評価された」と感じて、嬉しい気持ちになるのは心情として良く解りますが、必ずしも「査定額が高ければ、高く売却出来る」とは限りません(仮に、売主が一切何も責任を負わないという条件の元で、買取査定に限った比較なら金額最優先で考えても良いかも知れませんが。ここが混同されやすい部分かと思います。)。

不動産の査定においては、様々な角度から評価を行います。「周辺環境」「駅からの距離」「ハザードマップ」「近隣との境界の状況」「土地・建物の状態」「道路や隣地との高低差」「路線価」「建築基準法との関係」「近隣での過去売買事例との比較・現在販売中の物件との対照」「購入者層・売却方法(売り方)の想定・検討」等々。

売却に関わる際、私は基本的に「売主にとって最も手元にお金が残る方法や結果」を求め活動します。同時に「トラブルを取引の双方(と近隣の方々)が被らないように、調査時点で判明していたり物件に見え隠れするリスクの存在や可能性をお伝えし、出来る限りリスクを減らす方策をご提示する事」も心掛けております。「どこから見ても完璧な不動産(物件)」というものは、なかなか無いのではないでしょうか。「手放すから、何もしたくない・考えたくない」とはいきません。面倒に感じる手続きや処理事項が、購入者の募集や決定よりも前に必要な場合も有ります。しかし安全性確保を先にメスを入れて処置しておいた方が、結果的に好条件での売却に繋がる事も珍しくありません。それは買い手の気持ちが、安心して購入に向かっていけるからです。

私がご提示する「不動産価格査定書」は、売却活動のロードマップ(設計図)でもあります。査定価格の根拠を提示する事は勿論ですが、リスクへの対処方法・お勧めしたい売却方法やその手順・売却に必要な費用の概算までご案内しております。そこでお伝えするのは耳当たりの良い言葉ばかりでは無いかも知れませんが、現状はこのスタイルが、結果として最も売主の利益(トラブル防止も含めて)になると考え実施しております。「売出価格」は上記査定書をご確認戴いた上で、売主のご希望も伺いながら設定していく(お決め戴く)事になります。

ご相談をご希望の際は、下記までご連絡ください。

有限会社音夢 ねむ相続コンサルティング事務所 音在 則孝 電話092-681-3724 福岡市東区香住ヶ丘6丁目12-8

この記事を書いた人

音在 則孝

音在 則孝

家具メーカーや注文住宅メーカーの営業職を経験後、
三井のリハウス 天神センター(九州北部リハウス(株))等不動産会社にて
主に居住用不動産の売買仲介や、買取再販業務に従事。
2020年より有限会社音夢(ねむ)にて、福岡市内を中心に
不動産売買において、より細やかな対応を実施。
2021年より相続コンサルタントとして活動を開始。

【保有資格】
・相続診断士
・宅地建物取引士
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士