「山の売却」について

私が相続の事前対策(準備)全体をサポートしたお客様で、様々なお悩みの一つとして先祖代々受け継いできた「山」の事がありました。ご本人は若い頃から当地を離れていたため管理は出来ず、お子様方は都会で暮らしておられるため、将来受け継いだ時には持て余してしまう事が目に見えておりました。「山」は複数の場所に点在しており、その状況も様々でした。今回は「山の売却」のお話です。

まずはお手元の権利書や役所での名寄帳(兼課税台帳)から、残っているご所有地を確認し経緯状況の詳細をお客様へお聴き取りし、それから一緒に現地を確認しました。本当に「山の中」なので、場所の確認だけで大変な作業でした。

ご意向としては、「一部を残すと次世代へ課題を残す事になるので、一括して処分したい」との事でした。私もお考えに賛成でした。私が不動産の仕事(宅建業)で通常取り扱うのは「宅地」であり、「山(山林)」は勝手が異なります。出来るかどうかは分かりませんでしたが、お客様に代わってとにかく当たってみる事にしました。

当地の森林組合や、木材店さんなど、またインターネットで「山を買います」という業者様に連絡を取ってみました。「木が植えてある場所だけなら」といった条件が付くなど、良い返事を戴けず数か月経った頃に、ようやく「一括買取り」戴けるという業者様に辿り着きました。「直接の取引」という条件であったため、私は不動産仲介としての立場ではなく相続コンサルタントとして、傍で出来る限り安全性に留意したアドバイスやサポートを行いました。

今回はたまたま「買い取り」の形で終わる事が出来ましたが、「有料引き取り」というケースも見聞きします。状況により、選択出来る方法は異なって来るものではないかと思います。

この記事を書いた人

音在 則孝

音在 則孝

家具メーカーや注文住宅メーカーの営業職を経験後、
三井のリハウス 天神センター(九州北部リハウス(株))等不動産会社にて
主に居住用不動産の売買仲介や、買取再販業務に従事。
2020年より有限会社音夢(ねむ)にて、福岡市内を中心に
不動産売買において、より細やかな対応を実施。
2021年より相続コンサルタントとして活動を開始。

【保有資格】
・相続診断士
・宅地建物取引士
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士